インハウスマーケティング[コラム]
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2025年9月15日
なぜ売上が伸びない?初心者でもわかる2つの基本原則で解決しよう

「ウェブ広告を出しているけど、クリック単価ばかり高くて赤字になってしまう...」 「ホームページにアクセスはあるのに、なかなか問い合わせにつながらない...」 「価格競争に巻き込まれて、利益が全然出ない...」
もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、安心してください。実はこれは、あなたの会社だけの問題ではありません。多くの会社が陥る典型的なパターンなのです。
1000社以上の企業を支援してきた経験から分かったことがあります。それは、売上が伸びない理由は複雑に見えて、実はとてもシンプルに整理できるということです。
今回は、マーケティング初心者の方でも理解できるよう、売上向上の基本原則を分かりやすく解説します。この記事を読めば、「今日から何をすればいいか」が明確になるはずです。
目次
1. 売上が伸びない理由はたった2つだけ
■ 複雑に見える売上の仕組みは実はシンプル
売上が伸びない理由を複雑に考える必要はありません。実際のところ、売上の仕組みは次の簡単な式で表せます。
売上 = 集客力 × 選ばれる力
つまり、売上を伸ばすためには:
集客力:より多くの見込み客を集める
選ばれる力:集まった見込み客に自社を選んでもらう
この2つの力を高めることが必要なのです。
どんな業界・業種であっても、売上が伸び悩んでいる会社は、必ずこのどちらか(または両方)に課題を抱えています。逆に言えば、この2つさえクリアできれば、売上は必ず伸びるということです。
まずは、あなたの会社がどちらの力が弱いのかを把握することから始めましょう。
■ よくある間違いパターン
多くの会社が売上向上で失敗するのは、目的と手段を混同してしまうからです。よくある間違いパターンを3つご紹介します。
パターン1:デザインを変えれば売れると思い込む
「ホームページのデザインが古いから売れない」と考えて、見た目だけを綺麗にする。しかし、根本的な問題(集客不足や差別化不足)が解決されていないため、結果は変わらない。
パターン2:広告費を増やせば解決すると勘違い
問い合わせが少ないのは集客が足りないからだと考え、広告費を増やす。しかし実際は「選ばれる力」に問題があるため、広告費だけが増えて成果は上がらない。
パターン3:値下げすれば売れると思い込む
競合に負けるのは価格が高いからだと考え、安易に値下げする。しかし価格以外の価値を伝えられていないことが本当の問題で、値下げしても根本解決にならない。
大切なのは、自社が今つまずいているのは「人が来ない(集客力不足)」のか、「来ても選ばれない(選ばれる力不足)」のかを正しく判断することです。
2.【基本原則①】集客力を身につけよう
■ 集客力とは「質の良い見込み客を集める力」
集客力というと、「とにかくたくさんの人を集めること」だと思われがちですが、それは間違いです。本当に大切なのは、あなたの商品・サービスに興味を持ってくれる可能性の高い人を効率的に集めることです。
例えば、高級レストランが子供向けのイベントで集客しても、実際の来店にはつながりにくいでしょう。それよりも、グルメ雑誌やグルメサイトで情報を発信した方が、質の高いお客様を集められます。
集客で重要なのは以下の3つのバランスです:
コスト:いくらお金をかけるか
時間:どれくらいの期間で効果が出るか
継続性:長期間安定して集客できるか
■ 初心者でもできる集客方法6選
それでは、具体的な集客方法を6つご紹介します。それぞれの特徴を理解して、あなたの会社に合った方法を選びましょう。
Web広告【即効性あり】
Google広告やFacebook広告は、設定すればすぐに効果が現れる集客方法です。ただし、正しく運用しないとコストばかりかかってしまいます。初心者は月1万円程度の小さな予算でテスト運用から始めましょう。キーワード選びと広告文の改善を繰り返すことで、徐々に効果を高められます。
ブログ記事【資産になる】
お客様が抱える悩みや疑問を解決する記事を書くことで、検索エンジンから継続的に見込み客を集められます。即効性はありませんが、一度作った記事は長期間にわたって集客し続ける「資産」になります。SEO対策の基本は、①お客様が検索しそうなキーワードを使う、②役に立つ内容を書く、③定期的に更新する、の3つです。
SNS活用【親近感アップ】
InstagramやXなどのSNSは、お客様との距離感を縮めるのに最適です。商品の紹介だけでなく、日常の様子や従業員の人柄が伝わる投稿をすることで、親近感を持ってもらえます。フォロワー数よりも、投稿に対する反応(いいね、コメント、シェア)を重視しましょう。
紹介・口コミ【最高の信頼度】
既存のお客様からの紹介は、最も信頼度が高く成約率の良い集客方法です。紹介が生まれる条件は、①期待を上回るサービス提供、②紹介しやすい仕組み作り、③適切なタイミングでのお願い、の3つです。紹介してくれた方への感謝の気持ちを形にする(割引や特典など)ことも大切です。
メール・LINE【既存客との関係強化】
一度接点を持ったお客様との関係を継続するために、メールやLINEは非常に有効です。新商品の案内や有益な情報を定期的に送ることで、「忘れられない存在」になれます。ただし、頻度が高すぎるとうっとうしがられるので、月1〜2回程度から始めましょう。
セミナー・イベント【信頼関係構築】
専門知識を活かしたセミナーや体験イベントを開催することで、一度に多くの見込み客と深い関係を築けます。最近はZoomなどを使ったオンラインセミナーが主流で、全国どこからでも参加してもらえます。参加者の満足度を高めることで、自然と商品・サービスへの関心も高まります。
■ どれから始める?優先順位の決め方
6つの集客方法をすべて同時に始めるのは現実的ではありません。以下を参考に、あなたの会社に合った方法から始めましょう。
業種別おすすめ集客法
B2B企業:ブログ記事、セミナー、紹介制度
店舗ビジネス:SNS、口コミ、地域イベント
EC・通販:Web広告、SNS、メール配信
士業・コンサル:ブログ記事、セミナー、紹介制度
予算・リソース別スタート方法
予算少・人手少:SNS、ブログ記事から
予算少・人手多:イベント、口コミ営業に注力
予算多・人手少:Web広告、外部委託を活用
予算多・人手多:複数の手法を組み合わせて実行
まずは1つの方法に集中して、成果が出始めてから他の方法も追加していくことをおすすめします。
3.【基本原則②】選ばれる力を高めよう
■ 選ばれる力とは「競合ではなく自社を選んでもらう力」
現代のお客様は、インターネットで簡単に情報収集や比較検討ができます。つまり、あなたの会社は常に競合他社と比較されているのです。
この状況で売上を伸ばすには、お客様に「なぜ他社ではなく、この会社を選ぶべきなのか?」を明確に伝える必要があります。これが「選ばれる力」です。
選ばれる会社に共通するのは、以下の3つの特徴です:
誰に向けたサービスなのかが明確
他社との違い・強みがはっきりしている
お客様が安心して購入できる仕組みがある
■ 選ばれるための6つのポイント
選ばれる力を高めるための具体的なポイントを6つご紹介します。
ターゲット設定【誰に売るか明確に】
「誰にでも喜んでもらえる商品です」という会社は、結果的に誰にも選ばれません。なぜなら、お客様は「自分のための商品・サービス」を求めているからです。理想のお客様を1人具体的に想像して、その人に向けたメッセージを作りましょう。年齢、性別、職業、悩み、価値観まで詳しく設定することで、刺さるメッセージが作れます。
差別化【他社との違いを明確に】
自社の強みを見つける3つのステップは、①お客様アンケートで「なぜ当社を選んだか」を聞く、②従業員に「当社の良いところ」を聞く、③競合他社のホームページと比較する、です。見つけた強みは、お客様にとってのメリットとして表現しましょう。例:「創業50年の実績」→「半世紀の経験で培った確実な技術力」
コンテンツ改善【ホームページを見直そう】
ホームページでお客様が知りたい情報が伝わっているかチェックしましょう。
必須項目は、①何の会社か一目で分かる、②どんな人向けのサービスか明記、③他社との違いを説明、④料金体系を明示、⑤お客様の声を掲載、⑥問い合わせ方法を分かりやすく、の6つです。また、スマートフォンで見やすいことも重要です。
接触頻度【何度も接点を作る】
お客様は一度の接触だけで購入を決めることは稀です。メール、SNS、電話、イベントなど様々な方法で継続的に接点を持ちましょう。ただし、売り込みばかりでは嫌がられます。お客様にとって有益な情報(業界ニュース、お役立ちコラム、イベント案内など)を8割、商品案内を2割程度のバランスにしましょう。
オファー【行動したくなる仕掛け】
お客様が「今すぐ行動したい」と思える提案をしましょう。効果的なのは、①無料相談・無料体験、②初回限定価格、③期間限定特典、④少数限定サービス、などです。ただし、限定性を使う場合は本当にその通りにすることが信頼関係維持のために重要です。
信頼構築【不安を取り除く】
お客様は「失敗したらどうしよう」「お金を無駄にしたくない」という不安を抱えています。この不安を取り除くために、①お客様の声・事例を豊富に掲載、②実績・資格・メディア掲載歴を明示、③返金保証や無料相談を用意、④会社概要や代表者の写真・経歴を公開、などの取り組みをしましょう。
■ まずはホームページから改善しよう
選ばれる力を高めるには、まずホームページの改善から始めることをおすすめします。優先度の高い改善ポイントは以下の通りです。
優先度1(今すぐ改善)
トップページで何の会社か分からない
料金が不明確
問い合わせ方法が分かりにくい
優先度2(1ヶ月以内に改善)
ターゲットが不明確
他社との違いが伝わらない
お客様の声がない
優先度3(3ヶ月以内に改善)
スマートフォン対応ができていない
更新が止まっている(最新情報がない)
会社情報が不足している
改善する際は、必ずお客様の立場になって考えることが大切です。家族や友人にホームページを見てもらい、「どんな印象を受けるか」「分かりにくい点はないか」を聞いてみるのも良い方法です。
4. 今のあなたはどちらが弱い?簡単診断
それでは、あなたの会社の現状を把握するために、簡単な診断をしてみましょう。当てはまる項目にチェックを入れてください。
■ セルフチェック診断
集客力チェック
□ 月間サイト訪問者数を把握している
□ 集客にかかる費用を計算している
□ 複数の集客方法を試している
□ SNSを定期的に更新している
□ 既存客からの紹介がある
選ばれる力チェック
□ ターゲット顧客が明確になっている
□ 競合との違いを説明できる
□ ホームページで強みが伝わる
□ お客様の声を掲載している
□ 問い合わせから成約までの流れが整っている
■ 診断結果別アクションプラン
集客力のチェックが多い場合(集客力は強い)
あなたの会社には見込み客が集まっているのに、成約に至らない状況です。まずは「選ばれる力」の強化に取り組みましょう。ホームページの見直し、お客様の声の収集、営業トークの改善から始めてください。
選ばれる力のチェックが多い場合(選ばれる力は強い)
あなたの会社は魅力的なサービスを提供できているのに、そもそも知ってもらえていない状況です。「集客力」の強化に取り組みましょう。ブログ記事の作成、SNSの活用、紹介制度の構築から始めてください。
両方のチェックが少ない場合(両方とも弱い)
焦らず、まずは「選ばれる力」から改善しましょう。集客力を高めても、選ばれる仕組みができていなければ、集まったお客様を逃してしまうからです。ターゲットの明確化とホームページの改善から取り組んでください。
両方のチェックが多い場合(両方とも強い)
基本的な仕組みはできています。さらに成果を高めるために、各施策の効果測定と改善に取り組みましょう。数字に基づいた分析と、お客様からのフィードバック収集を継続してください。
5. 今日から始める3つのアクション
診断結果を踏まえて、今日から実行できる具体的なアクションをご紹介します。
■ アクション1:現状を数字で把握しよう
まずは現状を正確に把握することから始めましょう。以下の数字を調べて記録してください。
月間ウェブサイト訪問者数:Googleアナリティクスで確認
月間問い合わせ数:電話・メール・フォームの合計
月間成約数:実際に購入・契約に至った数
問い合わせ率:訪問者数に対する問い合わせの割合
成約率:問い合わせに対する成約の割合
これらの数字を把握することで、どこに課題があるかが見えてきます。例えば、訪問者は多いのに問い合わせが少なければ「選ばれる力」に、問い合わせは多いのに成約が少なければ「営業力」に課題があります。
■ アクション2:1つだけ選んで始めよう
診断結果に基づいて、集客力か選ばれる力のどちらか一方に集中しましょう。同時に複数のことを始めると、どれも中途半端になってしまいます。
集客力強化を選んだ場合
ブログ記事を週1回書く
SNSを毎日1回更新する
既存客に紹介をお願いする
選ばれる力強化を選んだ場合
ホームページのトップページを改善する
お客様の声を5つ集める
競合他社との違いを明文化する
小さく始めて継続することが成功の秘訣です。大きな変化を一度に求めず、毎日少しずつでも改善を積み重ねましょう。
■ アクション3:3ヶ月後の目標を決めよう
具体的で測定可能な目標を設定しましょう。曖昧な目標では成果を判断できません。
良い目標例
月間ウェブサイト訪問者数を1000人から1500人に増やす
問い合わせ率を2%から3%に向上させる
月間成約数を5件から8件に増やす
良くない目標例
売上を増やす(具体的な数字がない)
たくさんの人に知ってもらう(測定できない)
サービスを改善する(主観的)
目標を決めたら、月に1回は振り返りの時間を作りましょう。数字の変化を確認し、うまくいっていることは継続し、うまくいっていないことは改善するというPDCAサイクルを回すことが大切です。
まとめ:継続が成果を生む
売上向上に魔法のような解決策はありません。しかし、正しい方法で継続的に取り組めば、必ず成果は現れます。
今回お伝えした2つの基本原則を思い出してください:
集客力:質の良い見込み客を効率的に集める
選ばれる力:競合ではなく自社を選んでもらう
どちらも一朝一夕で身につくものではありませんが、小さな改善を積み重ねることで、確実に力をつけることができます。
最も重要なのは、常にお客様の立場に立って考えることです。お客様が何に困っているのか、何を求めているのかを理解し、それに応える商品・サービスを提供する。そして、その価値をしっかりと伝える。これがマーケティングの本質です。
今日からできることから始めて、3ヶ月後、半年後、1年後の成長を楽しみにしながら取り組んでください。きっとあなたの会社にも素晴らしい成果が現れるはずです。
諦めずに続けることで、必ず道は開けます。頑張ってください!
(マーケティングの言語化なら私たちにご相談ください)