マーケティングファネルとは?種類・作り方と施策の当てはめ方|パーチェス・インフルエンス・ダブルファネルの違いから、段階別KPIと中小企業での作り方まで|

マーケティングファネルとは?種類・作り方と施策の当てはめ方
|パーチェス・インフルエンス・ダブルファネルの違いから、段階別KPIと中小企業での作り方まで|

著者:株式会社GuideRunner代表取締役 |野田卓司
【マーケティングファネルとは?要約】
マーケティングファネルとは、見込み客が「認知」から「購入」に至るまでの過程を段階に分け、各段階で人数が絞り込まれていく様子を漏斗(ファネル)に見立てたモデルです。実務上は「認知・興味・比較検討・購入」の4段階で考えれば十分とされています[1]。
購入までを描く従来型の「パーチェスファネル」に加え、購入後の継続利用や紹介・発信までを描く「インフルエンスファネル」、両者をつないだ「ダブルファネル」という考え方もあります。
本記事では、ファネルの種類の違い、段階別のKPIの考え方、具体的な施策の当てはめ方、そして中小企業がどうやって自社のファネルを作ればいいかまで解説します。
もっと詳しく知りたい方は、以下、本文をご覧ください。
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「集客はしているつもりだが、どこで見込み客が離れているのか分からない」
「広告やSNSには力を入れているが、問い合わせや購入に結びついている実感がない」
「リピートや紹介まで考えず、新規のお客様を集めることだけに追われている」
私たちガイドランナーは、業種や規模を問わず、こうしたご相談を数多く受けてきました。マーケティングファネルは、こうした「どこで止まっているのか分からない」という状態を可視化するための、最も基本的な整理の道具です。
営業目的の記事ではありません。まずは自社の 集客から購入までの流れを見直す材料として読み進めてください。
となりの会社は、ファネルをどう使っている?
これ、気になりますよね?
私はこれまで1000社以上のマーケティング現場を見てきましたが、ファネルについては次のような会社が少なくありません。以下のうち当てはまるものはありますか?
「集客」「販促」とひとくくりに考えていて、見込み客がどの段階で離れているかを分けて見ていない
広告の出稿数や投稿数(認知段階の数字)ばかり追いかけて、その先の比較検討・購入への流れを追っていない
新規のお客様を集めることに力を入れすぎて、購入後の継続利用や紹介(インフルエンスファネル)への施策がない
ファネルという言葉は聞いたことがあるが、自社向けに作ったことがない
各段階の数値(KPI)を決めずに、施策の実施自体が目的になっている
1つでも当てはまった方は、この記事を最後まで読む価値があります。
目次:---------------------------------------------------------------
2. パーチェスファネル/インフルエンスファネル/ダブルファネル
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1. マーケティングファネルとは
マーケティングファネルとは、見込み客が商品・サービスを認知してから購入するまでの過程を段階に分け、各段 階で人数が徐々に絞り込まれていく様子を、口の広い漏斗(ファネル)の形に見立てて図式化したモデルです[1]。入り口(認知)では多くの人数がいますが、興味・比較検討・購入と進むにつれて人数が減っていくため、逆三角形のような形になります。
段階の分け方には複数の考え方がありますが、実務上は「認知・興味・比較検討・購入」の4段階で考えれば十分とされています[1]。古くからある代表的なモデルとしては、「注意(Attention)・関心(Interest)・欲求(Desire)・記憶(Memory)・行動(Action)」の頭文字を取ったAIDMAがあり、パーチェスファネルの多くはこのAIDMAの考え方をもとにしています[2]。
関連記事『マーケティング戦略とは?中小企業のための立て方・立案プロセスを5ステップで解説』で紹介した5ステップのうち、ファネルは④KPI設定・⑤実行計画の工程で使う道具にあたります。STPで「誰に向けるか」を定め、4Pで「何を・いくらで・どこで・どう届けるか」を決めた上で、実際にその見込み客がどう動くのかを可視化するのがファネルの役割です。
ファネルは「とりあえず図を描く」こと自体が目的ではありません。段階ごとに人数(またはKPI)を把握し、どこで最も人数が減っているか(離脱しているか)を見つけるための道具として使って初めて意味を持ちます。 |
2. パーチェスファネル/インフルエンスファネル/ダブルファネル
ファネルには、描く範囲によっていくつかの型があります。
型 | 描く範囲・特徴 |
パーチェスファネル | 認知から購入までを絞り込みの過程として描く、最も古くからある型。AIDMAなどのモデルに基づき、逆三角形の形になる[1][2] |
インフルエンスファネル | 購入後の「継続」「紹介」「発信」までを描く型。パーチェスファネルとは逆に、下に向かって広がる三角形になる[1][2] |
ダブルファネル | パーチェスファネルとインフルエンスファネルを上下につないだ、砂時計のような形。購入前後のプロセス全体を一貫して捉えられる[1 ] |
従来、ファネルは「購入してもらうまで」を描くパーチェスファネルが中心でした。しかし、SNSによる口コミや紹介の影響力が大きくなった現在では、購入後の継続利用や発信までを含めたインフルエンスファネル、両者をつなげたダブルファネルで考えることが重要になっています。新規の問い合わせだけでなく、既存のお客様からの紹介やリピートも、ファネル全体の中に位置づけて考える必要があります。
なお、SNSや口コミなど、企業側で直接計測できない場所で進む情報収集・検討のプロセスを指して「ダークファネル」と呼ぶこともあります。すべての行動を数値で追いきれるわけではない、という前提を持っておくことも大切です。 |
3. 段階別KPIの考え方
ファネルを作る目的は、図を描くことではなく、各段階の人数や移行率を数字で把握し、どこで最も絞り込まれているか(離脱しているか)を見つけることにあります。そのためには、最終的な目標(KGI)から逆算して、各段階のKPIを決める必要があります。
段階 | KPIの例 |
認知 | 広告インプレッション数、サイト訪問者数、SNSのリーチ数 |
興味 | サイトの滞在時間、資料請求ページへの到達率、SNSのエンゲージメント率 |
比較検討 | 問い合わせ・資料請求の入力完了率、見積もり依頼数 |
購入 | 成約率(コンバー ジョン率)、受注件数 |
継続・紹介(インフルエンスファネル) | リピート率、紹介件数、口コミ・レビュー件数 |
たとえば「月間の問い合わせ数を50件にする」というKGIを立てた場合、KPIは「サイトの訪問者数」「問い合わせフォームへの到達率」「フォームの入力完了率」のように分解できます[3]。各段階の数字を可視化し、前の段階から次の段階への「移行率」と「離脱率」を見ることで、どこに手を打つべきかが具体的になります[3]。
KPIは業種やビジネスモデルによって最適な指標が異なるため、他社の指標をそのまま当てはめるのではなく、自社のKGIから逆算して決めることが基本です[3]。 |
4. 施策の当てはめ方
段階別のKPIが決まったら、各段階に対応する施策を当てはめていきます。以下は、理解を深めるための架空の例です。地域密着型の学習塾B(中学生向け・個別指導)を例に考えてみます。
段階 | 施策の例 |
認知 | 地域向けポスティング、SNSでの学習情報の発信、口コミサイトへの登録 |
興味 | 無料体験授業の案内、学習の悩みに答えるコラム記事(AIO・LLMO対策も含む) |
比較検討 | 個別相談会、他塾との違いを整理した比較ページ、保護者の声の掲載 |
購入 | 初回体験授業の無料提供、入塾特典、入塾時の個別カウンセリング |
継続・紹介 | 定期的な学習面談、保護者向け通信、紹介キャンペーン |
ここで重要なのは、すべての段階に同じ力で施策を打つ必要はないということです。段階別KPIを見て、どこで最も人数(または移行率)が落ちているのかを確認し、そこに優先的に資源を投じるのが基本的な考え方です。たとえば「認知は十分あるのに比較検討で止まっている」のであれば、広告を増やすのではなく、比較検討段階の施策(比較ページや個別相談会など)を強化すべき、という判断になります。
5. 中小企業での作り方
① 自社の「認知・興味・比較検討・購入」をまず書き出す
最初から精緻なモデルを作る必要はありません。自社のお客様が、最初にどこで自社を知り、どこで興味を持ち、何を比べて、どう購入に至っているのかを、箇条書きで書き出すところから始めます。
② 各段階の数字を、今あるデータだけでとりあえず入れてみる
サイトのアクセス数、問い合わせ数、成約数など、すでに手元にある数字だけで構いません。完璧な数字がそろうまで待たず、まず一度ファネルの形に当てはめてみることが大切です。
③ 最も絞り込まれている(落ちている)段階を特定する
段階ごとの移行率を比べ、どこで最も人数が減っているかを確認します。この段階が、今後の施策で最も優先的に手を打つべき箇所になります。
④ 購入後(継続・紹介)まで含めて見直す
新規の問い合わせだけに意識が向きがちですが、既存のお客様の継続利用や紹介も、ファネル全体の一部として位置づけます。限られた予算の中小企業にとって、紹介・リピートは比較的低コストで効果が出やすい領域です。
中小企業がファネルを作る際は、最初から4つの型(パーチェス・インフルエンス・ダブル・ダーク)すべてを使い分ける必要はありません。まずは「認知・興味・比較検討・購入」の基本4段階で自社の流れを書き出し、慣れてきたら購入後の段階(インフルエンスファネル)を追加していく、という順番がおすすめです。 |
6. GuideRunnerでできること
株式会社GuideRunnerは、独自メソッド「上昇マーケティングOS」(商標登録第7065487号)に基づき、企業のマーケティング内製化を支援しています。ファネルの設計についても、図を描くことで終わらせず、各段階のKPI設定から、実際のデータに基づく見直しまでを伴走支援する形で提供しています。
フェーズ | 支援内容 |
戦略準備フェーズ(情報整理・3C分析・USP言語化) | STPの整理と、自社の強み(USP)の言語化を支援 |
戦略フェーズ(ウェブ戦術・KGI/KPI設計) | ファネル各段階のKPI設計と、施策の当てはめを支援 |
実行フェーズ(戦術実行・解析) | ファネルのデータ計測と、数字を踏まえた見直しの伴走 |
GuideRunnerの上昇マーケティングOS®とは?
「上昇マーケティングOS」は、当社代表の約20年にわたる企業マーケティング支援の経験を体系化した独自メソッド(商標登録第7065487号)。 マーケティングの課題は、外部への「外注」だけでは解決しません。プロジェクトが終わった瞬間、ノウハウもお金も自社に残らないためです。上昇マーケティングOSは、マーケティング未経験者であっても社内で育成し、マーケターとして活躍できる仕組みをつくる「インハウスマーケティング(内製化)」支援によって、この課題を解消します。 |
7. まとめ
マーケティングファネルとは、見込み客が認知から購入に至る過程を段階に分け、人数の絞り込みを漏斗の形に見立てたモデル
実務上は「認知・興味・比較検討・購入」の4段階で考えれば十分で、代表的なモデルにAIDMAがある
購入後の継続・紹介までを描く「インフルエンスファネル」、両者をつないだ「ダブルファネル」という考え方もある
ファネルを機能させるには、KGIから逆算して段階別KPIを決め、最も絞り込まれている段階に施策を集中させることが重要
中小企業は、まず基本4段階で自社の流れを書き出し、慣れてきたら購入後の段階を追加する、という順番が現実的
AIO・LLMO対策を、何から始めればよいか迷っている方へ。
現状調査から効果測定までの流れを6つのステップに整理した無料ホワイトペーパーをご用意しています。
8. 筆者からのアドバイス
【筆者からのアドバイス】
1,000社以上のマーケティング現場を見てきた中で感じるのは、「集客ができていない」と相談に来られる会社の多くが、実は認知段階の数字は十分あり、比較検討から購入までの間で見込み客を落としているケースだということです。広告を増やす前に、まず今あるデータだけで一度ファネルの形に当てはめてみてください。どこで止まっているかが見えるだけで、打つべき施策の優先順位が大きく変わります。
(この記事を書いた人)
株式会社GuideRunner 代表取締役 野田卓司
15年以上、実績2万社のウェブ制作・マーケティング会社にて
取締役COO兼コンサルタントを務め、
2024年8月に株式会社GuideRunnerを設立。
1,000以上のマーケティング現場を経験し、
これまでに900名以上のウェブ・マーケティング人材を育成。
上場企業から中小企業まで、業種を問わず幅広い
企業マーケティング伴走支援を行う。
9. FAQ
Q1. マーケティングファネルとは何ですか?
A. 見込み客が商品・サービスを認知してから購入するまでの過程を段階に分け、各段階で人数が絞り込まれていく様子を漏斗の形に見立てたモデルです。実務上は「認知・興味・比較検討・購入」の4段階で考えれば十分です。
Q2. パーチェスファネルとインフルエンスファネルの違いは何ですか?
A. パーチェスファネルは認知から購入までを描く従来型のモデルで、逆三角形の形になります。インフルエンスファネルは購入後の継続利用・紹介・発信までを描くモデルで、下に向かって広がる三角形になります。
Q3. ダブルファネルとは何ですか?
A. パーチェスファネルとインフルエンスファネルを上下につなげた、砂時計のような形のモデルです。購入前後のプロセス全体を一貫して捉えられます。
Q4. ファネルのKPIはどうやって決めればいいですか?
A. 最終的な目標(KGI)から逆算して、各段階のKPIを決めるのが基本です。たとえば「月間の問い合わせ数を50件にする」というKGIであれば、訪問者数・フォーム到達率・入力完了率のように分解します。
Q5. ファネルのどの段階を優先的に改善すればいいですか?
A. 各段階の移行率・離脱率を比べ、最も人数が減っている(落ちている)段階を優先します。認知を増やす前に、途中で落ちている段階を特定することが先決です。
Q6. ダークファネルとは何ですか?
A. SNSや口コミなど、企業側で直接計測できない場所で進む情報収集・検討のプロセスを指す呼び方です。すべての行動を数値で追いきれるわけではないという前提を持つことも大切です。
Q7. 中小企業が最初に作るファネルは、どこまで精緻にすべきですか?
A. 最初から精緻なモデルは不要です。まず「認知・興味・比較検討・購入」の基本4段階で自社の流れを書き出し、今あるデータだけで数字を入れてみることから始めるのが現実的です。
Q8. ファネルと4Pは、どう関係していますか?
A. 関連記事『マーケティングの4P(マーケティング・ミックス)とは?事例でわかる使い方』で紹介した4Pが「何を・いくらで・どこで・どう届けるか」を決める工程であるのに対し、ファネルはその結果、見込み客が実際にどう動くのかを段階別に可視化し、KPIに接続するための道具です。
参考情報
参考情報 [1]株式会社一創「マーケティングファネルとは?」(パーチェスファネル・インフルエンスファネル・ダブルファネルの定義、基本4段階の解説)2024年12月11日公開 [2]合同会社ロケットボーイズ「BtoBでのマーケティングファネルをご紹介」(AIDMAモデルとパーチェスファネル・インフルエンスファネルの図形の違いを解説) [3]Salesforce Japan「ファネル分析とは?」(KGIからのKPI分解例、移行率・離脱率の可視化について)2025年8月8日公開 |
※本記事中の学習塾の施策例は、理解を深めるための架空の例です。実在の特定企業の事例ではありません。
※本記事の作成にあたり、文章の一部生成に生成AI(Claude)を活用しています。内容の正確性については、公開前に編集部でご確認ください。
※上昇マーケティングOS®は株式会社GuideRunnerの商標登録名称です。









