マーケティング戦略とは?中小企業のための立て方・立案プロセスを5ステップで解説|環境分析からKPI設定、実行計画まで――迷 わず進めるための実践ステップ|

マーケティング戦略とは?中小企業のための立て方・立案プロセスを5ステップで解説
|環境分析からKPI設定、実行計画まで――迷わず進めるための実践ステップ|

著者:株式会社GuideRunner代表取締役 |野田卓司
【マーケティング戦略とは?要約】
マーケティング戦略とは、自社の商品・サービスを「誰に」「何を」「どのように」届けて売上につなげるかを定めた、中長期的な方針のことです。思いつきの施策をその場その場で重ねるのではなく、①環境分析②STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)③4P(マーケティング・ミックス)④KPI設定⑤実行計画、という5つのステップで組み立てることで、中小企業でも再現性のある戦略を立てられます。
本記事では、各ステップの具体的な進め方、使えるフレームワークの選び方、中小企業がつまずきやすいポイント、そして社内で戦略を回し続けるための体制まで、順を追って解説します。
もっと詳しく知りたい方は、以下、本文をご覧ください。
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「マーケティング戦略を立てろと言われても、何から手をつければいいか分からない」
「とりあえず 広告やSNSを始めてみたものの、場当たり的になっている自覚がある」
「3C・STP・4Pといった言葉は知っているが、実際どう組み合わせて使えばいいのか分からない」
私たちガイドランナーは、業種や規模を問わず、こうしたご相談を数多く受けてきました。マーケティング戦略という言葉は広く使われていますが、実際に「何を、どの順番で決めていけばいいのか」を体系立てて理解している方は、決して多くありません。
営業目的の記事ではありません。まずは自社の現状が、戦略立案のどの段階にあるのかを把握する材料として読み進めてください。
となりの会社は、マーケティング戦略をどう立てている?
これ、気になりますよね?
私はこれまで1000社以上のマーケティング現場を見てきましたが、マーケティング戦略については次のような会社が少なくありません。以下のうち当てはまるものはありますか?
マーケティング戦略と、広告・SNSなどの個別の施策を同じものだと思っている
毎年、なんとなく同じよ うな施策を繰り返している
3C・STP・4Pといった言葉は知っているが、使う順番が分からない
施策の良し悪しを判断するKPIを決めずに、見切り発車で走り出している
戦略を一度は立てたが、実行・見直しの体制が整っておらず、作りっぱなしになっている
1つでも当てはまった方は、この記事を最後まで読む価値があります。
目次:---------------------------------------------------------------
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1. マーケティング戦略とは(戦術との違い)
マーケティング戦略とは、自社の商品・サービスを「誰に」「何を」「どのように」届けて売上につなげるのかを定めた、中長期的な方針のことです。どの市場で、どんな顧客に向けて、どのような価値を、どうやって届けるのか——この問いに対する会社としての答えが、マーケティング戦略にあたり ます。
ここで混同されやすいのが「戦略」と「戦術」の違いです。戦略が「方針・大枠」であるのに対し、戦術は「その方針を実現するための具体的な手段」です。たとえば「価格に敏感な若年層をターゲットに、コストパフォーマンスの高さで勝負する」が戦略だとすれば、「SNS広告を出す」「クーポンを配布する」は、その戦略を実現するための戦術にあたります。
戦略なき戦術は、やってみないと当たるかどうか分からない「賭け」になりがちです。逆に、戦略さえ定まっていれば、個々の戦術が多少失敗しても、軌道修正の方向性に迷いません。 |
なお、融資や補助金の審査に向けて、事業計画書の「マーケティング戦略」欄そのものの書き方を知りたい方は、関連記事『マーケティングの事業計画書ってどう書けばいい?』もあわせてご覧ください。本記事では、書類の書き方ではなく、実際に戦略を組み立てていくプロセスそのものを解説します。
2. なぜ今、中小企業にこそマーケティング戦略が必要なのか
「戦略なんて、大企業がやることではないか」と感じる経営者の方も少なくありません。しかし実際には、使える予算や人員が限られている中小企業ほど、何に力を集中させるかを決める「戦略」の有無が、成果の差として表れやすいというのが現場の実感です。
この実感は、公的な統計からも裏付けられています。中小企業庁「2025年版中小企業白書」によると、経営計画を策定している中小企業は約5割にとどまる一方、策定している企業は未策定の企業と比べて売上高・付加価値額ともに高い水準にあることが確認されています。さらに、長期を見据えた計画を立てている企業ほど、売上高・付加価値額の成長率も高い傾向が見られ、計画の進捗管理や評価・見直し(PDCA)に取り組むほど「想定した効果が得られた」と回答する企業の割合が高まることも示されています[1]。
つまり、戦略を「立てているかどうか」と、「立てた後にどう運用しているか」の両方が、業績に関係しているということです。次の章では、その戦略を実際にどう組み立てていくのか、5つのステップに分けて見ていきます。
3. マーケティング戦略 立案の5ステップ
マーケティング戦略は、次の5つのステップで組み立てると、初めてでも迷わず進められます。
①環境分析:自社の立ち位置を把握する
最初に行うのは、自社を取り巻く環境の把握です。自社・顧客・競合を整理する「3C分析」や、自社の強み・弱み・機会・脅威を洗い出す「SWOT分析」、政治・経済・社会・技術といった外部環境を見る「PEST分析」などを使い、「今、自社はどんな状況に置かれているのか」を客観的に把握します。
②STP:誰に向けるのかを決める
環境分析をもとに、市場を切り分け(セグメンテーション)、どの層を狙うか決め(ターゲティング)、自社がその中でどんな立ち位置を取るか(ポジショニング)を定めます。「誰に向けた商品・サービスなのか」が曖昧なままでは、この先のどんな施策も的を絞れません。
③4P:何を・いくらで・どこで・どう届けるかを設計する
STPで定めたターゲットに対して、商品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販促(Promotion)の4つの要素を具体的に設計します。この4つの組み合わせを「マーケティング・ミックス」と呼びます。
④KPI設定:成果をどう測るかを決める
最終的に目指す売上・利益などの目標(KGI)を定め、そこに至るまでの中間指標(KPI)に分解します。問い合わせ数、商談数、成約率など、戦略の進み具合を数字で確認できる状態を作ることが目的です。
⑤実行計画:誰が・いつ・何をやるかに落とし込む
最後に、ここまでの内容を「誰が」「いつまでに」「何をやるか」という具体的な実行計画に落とし込みます。計画を立てて終わりにせず、定期的に数字を振り返り、次の計画に反映していくPDCAの前提で組むことが重要です。
5つのステップは、いずれも「前のステップの答えが、次のステップの土台になる」という関係にあります。順番を飛ばしてしまうと、たとえば「誰に向けた商品か(STP)が曖昧なまま、広告の出し方(4P)だけを決めてしまう」といった、ちぐはぐな戦略になりやすいので注意が必要です。 |
4. 戦略立案に使えるフレームワーク
先ほどの5ステップの中で登場したフレームワークは、それぞれ使うタイミングと目的が異なります。混同せずに使い分けるための整理は、以下のとおりです。
フレームワーク | 主な目的 | 使うタイミング |
3C分析 | 顧客・競合・自社の関係を整理する | ①環境分析 |
SWOT分析 | 自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威を整理する | ①環境分析 |
PEST分析 | 政治・経済・社会・技術などマクロ環境を把握する | ①環境分析 |
STP | 狙う市場・顧客層と自社の立ち位置を決める | ②STP |
4P(マーケティング・ミックス) | 商品・価格・流通・販促を具体的に設計する | ③4P |
フレームワークはあくまで「考えを整理するための道具」です。すべてを完璧に埋めようとすると手が止まってしまうため、まずは3C分析とSTPだけでも整理してみる、というように、小さく始めることをおすすめします。
5. 中小企業がつまずきやすいポイント
ここま での流れを踏まえたうえで、実際に中小企業のマーケティング戦略づくりに伴走してきた経験から、特につまずきやすいポイントを4つ紹介します。
戦略と戦術を混同し、「とりあえず広告」から入ってしまう
環境分析やSTPを飛ばして、いきなり「広告を出そう」「SNSを始めよう」という戦術レベルの話から入ってしまうケースです。誰に何を届けたいのかが定まらないまま戦術だけを決めると、成果が出ても出なくても「なぜそうなったのか」を振り返ることができません。
大企業向けのフレームワークをそのまま当てはめようとして手が止まる
教科書どおりの3C分析・SWOT分析をすべて細かく埋めようとして、情報収集だけで数週間かかってしまうケースもよく見られます。中小企業の場合、経営者自身が顧客や競合の状況を肌感覚で把握していることも多いため、まずは分かる範囲で簡易的に埋め、走りながら精度を上げていく方が現実的です。
KPIを設定せず、感覚で「効果があった/なかった」を判断してしまう
問い合わせ数や商談数といった中間指標を決めないまま施策を始めると、「なんとなく良かった気がする」 「なんとなく効果がなかった気がする」という感覚的な判断に頼らざるを得なくなります。
一度立てた戦略を見直さず、同じ施策を繰り返す
前章で紹介した中小企業庁の調査でも、計画の進捗管理や評価・見直しに取り組まない企業ほど「想定した効果が得られなかった」と回答する割合が高いことが示されています[1]。戦略は一度立てて終わりではなく、定期的に見直す前提で運用することが重要です。
6. 社内で戦略を回すための体制
マーケティング戦略は、経営者一人で抱え込みがちですが、実際には役割を分けて進めると負担が減り、継続しやすくなります。
役割 | 主な担当 | 内容 |
方向性を決める | 経営者 | STPの決定、戦略全体の意思決定 |
情報収集・分析 | 担当者・外部パートナー | 環境分析、競合調査、数字の集計 |
実行・進捗管理 | 担当者 | 実行計画の遂行、KPIの定点観測 |
評価・見直し | 経営者+担当者 | KPIの達成状況の確認、次期計画への反映 |
社内に専任の担当者を置けない場合は、戦略の設計・見直しの部分だけを外部の専門家に伴走してもらい、実行は社内で行うという役割分担も現実的な選択肢です。
7. GuideRunnerでできること
株式会社GuideRunnerは、独自メソッド「上昇マーケティングOS」(商標登録第7065487号)に基づき、企業のマーケティング内製化を支援しています。本記事で紹介した5ステップについても、資料作成の代行ではなく、お客様自身が自社で戦略を組み立て、回し続けられるようになるまでを伴走支援する形で提供しています。
フェーズ | 支援内容 |
戦略準備フェーズ(情報整理・3C分析・USP言語化) | 環境分析、STPの整理を一緒に言語化 |
戦略フェーズ(ウェブ戦術・KGI/KPI設計) | 4Pの設計とKGI/KPIの落とし込みを支援 |
実行フェーズ(戦術実行・解析) | 実行計画の遂行と、数字を踏まえた見直しの伴走 |
「何から手をつければいいか分からない」という段階から、「戦略立案支援」としてご相談いただくことも、すでにある程度戦略の骨子はあるが実行・継続の体制づくりに課題を感じているという段階で「伴走支援(社外マーケティング部長)」としてご相談いただくことも、どちらも可能です。
GuideRunnerの上昇マーケティングOS®とは?
「上昇マーケティングOS」は、当社代表の約20年にわたる企業マーケティング支援の経験を体系化した独自メソッド(商標登録第7065487号)。 マーケティングの課題は、外部への「外注」だけでは解決しません。プロジェクトが終わった瞬間、ノウハウもお金も自社に残らないためです。上昇マーケティングOSは、マーケティング未経験者であっても社内で育成し、マーケターとして活躍できる仕組みをつくる「インハウスマーケティング(内製化)」支援によって、この課題を解消します。 |
8. まとめ
マーケティング戦略とは、誰に・何を・どう届けて売上につなげるかを定めた中長期的な方針であり、具体的な手段である「戦術」とは区別される
中小企業庁の調査でも、経営計画を策定し、継続的に見直している企業ほど業績が高い傾向が確認されている
①環境分析②STP③4P④KPI設定⑤実行計画、の5ステップで組み立てると、再現性のある戦略になる
フレームワークは完璧に埋めることが目的ではなく、分かる範囲から始めて走りながら精度を上げる姿勢が重要
戦略は一度立てて終わりではなく、役割分担のもとで継続的に見直す体制づくりが欠かせない
AIO・LLMO対策を、何から始めればよいか迷っている方へ。
現状調査から効果測定までの流れを6つのステップに整理した無料ホワイトペーパーをご用意しています。
9. 筆者からのアドバイス
【筆者からのアドバイス】
1,000社以上のマーケティング現場を見てきた中で感じるのは、戦略づくりでつまずく会社の多くが、フレームワークの知識不足ではなく、「完璧に作ろうとしすぎている」ことに原因があるということです。最初から精緻な戦略を作る必要はありません。まずは3C分析とSTPだけでも紙に書き出してみる。そこから始めてみてください。
(この記事を書いた人)
株式会社GuideRunner 代表取締役 野田卓司
15年以上、実績2万社のウェブ制作・マーケティング会 社にて
取締役COO兼コンサルタントを務め、
2024年8月に株式会社GuideRunnerを設立。
1,000以上のマーケティング現場を経験し、
これまでに900名以上のウェブ・マーケティング人材を育成。
上場企業から中小企業まで、業種を問わず幅広い
企業マーケティング伴走支援を行う。
10. FAQ
Q1. マーケティング戦略を簡単に言うと、どういうことですか?
A. 一言でいえば「誰に、何を、どうやって届けて売上につなげるか」という会社としての方針のことです。個別の施策(広告・SNSなど)そのものではなく、その施策を選ぶための大枠の考え方を指します。
Q2. マーケティング戦略とマーケティング戦術の違いは何ですか?
A. 戦略は「方針・大枠」、戦術は「その 方針を実現するための具体的な手段」です。たとえば「価格に敏感な若年層に、コストパフォーマンスの高さで勝負する」が戦略、「SNS広告を出す」「クーポンを配布する」が戦術にあたります。
Q3. マーケティング戦略の立案にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 規模や情報の整理状況によって異なりますが、環境分析からKPI設定までの骨子であれば、数週間程度でひとまず形にできるケースが多いです。重要なのは、完成度よりも「一度形にして動かしながら見直す」ことです。
Q4. フレームワークを使わないと戦略は作れませんか?
A. フレームワークは必須ではありませんが、考えを整理し、抜け漏れに気づくための有効な道具です。特に複数人で戦略を検討する場合は、共通の枠組みがあることで議論がかみ合いやすくなります。
Q5. 中小企業でも3C分析やSTP分析は必要ですか?
A. むしろ、限られた予算と人員で戦う中小企業ほど必要性は高いといえます。大企業のように分業で補えない分、どこに力を集中させるかの判断基準を、経営者自身が持っておく必要があるためです。
Q6. KPIはどうやって決めればいいですか?
A. まず最終的な目標(KGI、例:年間売上)を決め、そこに至るまでに必要な問い合わせ数・商談数・成約率などの中間指標に逆算して分解するのが基本的な進 め方です。
Q7. 戦略を立てたのに効果が出ません。なぜですか?
A. 戦略そのものよりも、実行・見直しの体制に課題があるケースが多く見られます。立てた戦略を定期的に振り返り、KPIの数字をもとに軌道修正する運用が伴っているかを確認してみてください。
Q8. マーケティング戦略は誰が作るべきですか?
A. 最終的な方向性の意思決定は経営者が行うべきですが、情報収集・分析・実行は、担当者や外部の専門家と役割分担して進めると、継続しやすくなります。
Q9. 事業計画書に書くマーケティング戦略と、普段の戦略は別物ですか?
A. 基本的には同じものであるべきです。審査用に作った計画と実際の施策が乖離していると、採択後の実行段階で計画倒れになりやすくなります。事業計画書への書き方そのものについては、関連記事『マーケティングの事業計画書ってどう書けばいい?』で詳しく解説しています。
参考情報
[1]中小企業庁「2025年版中小企業白書」第2部第1章(経営計画の策定状況と業績の関係。経営計画を策定している中小企業は約5割、策定企業は未策定企業と比べ売上高・付加価値額ともに高水準、進捗管理・評価見直しへの取り組みと効果実感の関係を分析) |
※本記事の作成にあたり、文章の一部生成に生成AI(Claude)を活用しています。内容の正確性については、公開前に編集部でご確認ください。
※上昇マーケティングOS®は株式会社GuideRunnerの商標登録名称です。
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