社内マーケティングとは?
従業員を活性化し組織の成功に貢献する力|顧客だけでなく「働く人」に向き合うマーケティング

社内マーケティングとは?
従業員を活性化し組織の成功に貢献する力|顧客だけでなく「働く人」に向き合うマーケティング

著者:株式会社GuideRunner代表取締役 |野田卓司
【社内マーケティングとは?要約】
社内マーケティング(インターナルマーケティング)とは、従業員を「内部の顧客」と捉え、経営理念や自社の強みを社内に浸透させることで、従業員のモチベーションと、結果的に顧客への対応品質を高める考え方です。
ギャラップ・ジャパンの調査では、日本の従業員エンゲージメント率はわずか7%で、世界的に見ても低い水準にあるとされています[1]。
マーケティングというと「顧客に向けた活動」というイメージが強いですが、実は「働く人に向き合う」ことも、立派なマーケティング活動の一部です。
もっと詳しく知りたい方は、以下、本文をご覧ください。
「経営理念は掲げているが、社員がどれだけ理解しているか分からない」
「良い商品・サービスのはずなのに、現場のスタッフの説明にばらつきがある」
「求人広告にはこだわっているのに、既存社員のやる気が今ひとつ伝わってこない」
もし、こうした状況に心当たりがあるなら、ここから先も読み進める価値があります。
私た ちガイドランナーは、中小企業のマーケティング内製化(インハウス化)の支援を、代表・野田が長年にわたり行ってきました。ここからは、顧客向けだけでなく「社内向け」のマーケティングという発想がなぜ重要なのか、そして具体的にどう取り組めばいいのかを、現場目線で詳しく解説します。
営業目的の記事ではありません。まずは自社の社内向けの取り組みを、判断する材料として読み進めてください。
となりの会社は、社員にどう向き合っているの?
これ、気になりますよね?
私はこれまで1000社以上のマーケティング現場を見てきましたが、「理念は作ったのに社員に浸透しない」という悩みは、業種や規模を問わずほとんどの経営者に共通しています。安心してください。一緒に見ていきましょう。
以下のうち当てはまるものはありますか?
経営理念や自社の強みを、社員が自分の言葉で説明できない
部署によって 、お客様への対応の質にばらつきがある
社内での情報共有が一方通行で、現場の声が経営に届きにくい
採用活動には力を入れているが、既存社員の定着やモチベーションへの投資は手薄
「社内向けの発信」を、特別な予算や仕組みもなく後回しにしている
1つでも当てはまった方は、この記事を最後まで読む価値があります。
目次:---------------------------------------------------------------
4. 比較(社内向け発信をしない・研修だけ行う・社内マーケティングとして継続的に取り組む)
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1. 社内マーケティングとは
社内マーケティング(インターナルマーケティング)とは、従業員を「内部の顧客」と捉え、経営理念やビジョン、自社の強みを社内に浸透させることで、従業員が納得感を持って働き、結果的に顧客への対応品質やサービスレベルが向上することを目指す考え方です。
マーケティングの世界的権威フィリップ・コトラーは、企業と顧客・従業員の関係を「外部マーケティング(企業→顧客)」「内部マーケティング(企業→従業員)」「相互作用マーケティング(従業員→顧客)」の3つに整理しており、この3つが揃って初めて、顧客満足につながるとされています[2]。
2.なぜ今、この考え方が必要なのか
背景には大きく3つの流れがあります。
1つ目は、日本の従業員エンゲージメントの低さです。ギャラップ・ジャパンと英国経営者協会による調査では、日本の従業員エンゲージメント率はわずか7%で、世界的に見ても低い水準にあるとされ、生産性低下による経済損失は年間約5,240億ドルと推計されています[1]。
2つ目は、 人手不足による採用競争の激化です。新しい人材を採用するコストが上がる中、今いる社員に長く活躍してもらうことの重要性が相対的に高まっています。
3つ目は、情報発信の対象が「顧客だけ」で止まっている会社が多いことです。SNSやサイトでの発信には力を入れていても、社内向けの発信は後回しになりがちです。
私たちが伴走支援している企業の中でも、「経営理念はきちんと作ったのに、社員にはあまり浸透していない」という声を数多く聞きます。理念そのものより、それをどう伝え続けるかという「社内向けのマーケティング」が抜け落ちているケースがほとんどです。
3. 社内マーケティングの仕組み・全体像
社内マーケティングに取り組むには、次の4つのステップで整理すると見通しが良くなります。
ステップ | 内容 |
①自社の強み(理念)の言語化 | 何のために存在する会社なのか、何を大事にしているのかを言葉にする |
②社内への発信 | 朝礼、社内報、1on1など、日常的な場で繰り返し伝える |
③現場の声の吸い上げ | 従業員からの意見や気づきを、経営に反映する仕組みを作る |
④効果の確認 | エンゲージメントサーベイや定期的な面談で、浸透度合いを確認する |
4つを整理して初めて、理念は「額縁に飾られた言葉」から「日々の判断基準」に変わります。逆にこれらが欠けていると、立派な理念を掲げていても、現場の行動には反映されません。
経営者と現場の役割整理
社内マーケティングも、経営者が一人で抱え込みがちですが、実際には次のように役割を分けて進めると負担が減ります。
役割 | 主な担当 | 内容 |
方向性を決める | 経営者 | 経営理念・自社の強みの言語化、最終的な発信方針の決定 |
発信の実行 | 経営者・管理職 | 朝礼、社内報、1on1などでの継続的な発信 |
現場の声の収集 | 管理職・担当者 | 従業員の意見・気づきの吸い上げ |
効果の検証 | 経営者+担当者 | エンゲージメントサーベイ等での定期的な確認 |
4. 比較(社内向け発信をしない・研修だけ行う・社内マーケティングとして継続的に取り組 む)
社内への向き合い方には、大きく3つの方向性があります。それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
比較軸 | 社内向け発信をしない | 研修だけ行う | 社内マーケティングとして継続的に取り組む |
初期コスト | かからない | 研修費用が中心 | 仕組みづくりの手間が中心 |
浸透度 | 低い(理念が形骸化しやすい) | 一時的に高まるが持続しにくい | 継続的に高まりやすい |
顧客対応への影響 | ばらつきが出やすい | 一時的に改善するが戻りやすい | 安定して向上しやすい |
社内にノウハウが残るか | 残らない | 残りにくい | 残りやすい |
どれか一つが正解というわけではありませんが、研修は「きっかけ」にはなっても「定着」までは難しいことが多く、継続的な発信と仕組みづくりを組み合わせることが重要です。
5. よくある誤解
誤解1:経営理念さえ作れば、自然と社内に浸透すると思っている
理念は作って終わりではなく、繰り返し伝え続ける「発信」の工程があって初めて浸透します。
誤解2:社内マーケティングは、人事部だけの仕事だと思っている
顧客と接する現場の対応品質に直結するため、経営者を含めた全社の課題として捉える必要があります。
誤解3:一度研修をすれば、効果が続くと思っている
研修は理解のきっかけにはなりますが、日常業務の中で繰り返し触れる機会がなければ、効果は時間とともに薄れていきます。
誤解4:社内向けの取り組みは、コストばかりかかると思っている
朝礼での一言や、1on1での対話など、大きな予算をかけなくても始められる取り組みは数多くあります。








