賃上げしても人が集まらない会社が見落としていること
「採用もマーケティング」で考えると、何が変わるのかを解説

賃上げしても人が集まらない会社が見落としていること
「採用もマーケティング」で考えると、何が変わるのかを解説

著者:株式会社GuideRunner代表取締役 |野田卓司
【賃上げしても人が集まらない、その理由とは?要約】
賃上げは人材確保の有効な手段の一つですが、それだけでは応募数も定着率も改善しないケースが増えています。
中小企業庁「2026年版中小企業白書」でも、求める人材像を明確化できている企業ほど定着率が高い傾向が示されています[1]。
つまり、給与という「条件」の前に、「誰に」「何を」「どう伝えるか」という採用マーケティングの視点が欠けていることが、応募が集まらない本当の原因であるケースが少なくありません。
もっと詳しく知りたい方は、以下、本文をご覧ください 。
「求人サイトに載せる時給を上げたのに、応募がまったく増えない」
「せっかく採用できても、数ヶ月で辞めてしまう。何が違うのか分からない」
「同業他社より条件はいいはずなのに、なぜか人が集まらない」
もし、こうした状況に心当たりがあるなら、ここから先も読み進める価値があります。
私たちガイドランナーは、中小企業のマーケティング内製化(インハウス化)の支援を、代表・野田が長年にわたり行ってきました。ここからは、賃上げだけでは解決しない採用の悩みを、マーケティングの視点で整理する考え方から、実際に手を動かせるステップ、よくある誤解や注意点まで、現場目線で詳しく解説します。
となりの会社は、賃上げしないで人を集めているの?
これ、気になりますよね?
私はこれまで1000社以上のマーケティング現場を見てきましたが、「賃上げしたのに人が集まらない」という悩みは、業種や規模を問わずほとんどの経営者に共通しています。安心してください。一緒に見ていきましょう。
以下のうち当てはまるものはありますか?
給与や時給を上げたのに、応募数が増えていない
求人票の内容は他社とほぼ同じで、差別化ができていない
「どんな人に来てほしいか」を明確に言葉にできていない
採用ページやSNSでの発信が、商品・サービスのPRに比べて手薄になっている
内定を出しても辞退される、入社してもすぐ辞めてしまうことが多い
1つでも当てはまった方は、この記事を最後まで読む価値があります。
目次:---------------------------------------------------------------
4. 比較(給与を上げるだけ・求人媒体を増やすだけ・マーケティング視点で採用ブランディング)
7. 採用マーケティング に取り組む際に押さえておきたい注意点
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1. 賃上げしても人が集まらないとは
賃上げとは、時給や月給などの給与水準を引き上げることで、人材確保や定着を図る施策のことです。人手不足に直面した企業の多くが、真っ先に検討する手段のひとつです。
ところが実際には、「賃上げをしたのに応募が増えない」「採用できても早期離職が続く」という声も少なくありません。給与という条件面の改善だけでは、求職者が本当に知りたい情報――どんな人が働いているのか、何を大事にしている会社なのか、入社後にどう成長できるのか――が伝わっていないことが背景にあります。
採用活動を「条件の提示」ではなく「自社を選んでもらうためのマーケティング活動」として捉え直す必要があります。

2. な ぜ今、この悩みが増えているのか
背景には大きく3つの流れがあります。
1つ目は、構造的な人手不足です。中小企業庁「2026年版中小企業白書」は「労働供給制約社会」の到来を指摘し、中小企業の雇用者数が2040年には2018年比で8割半ばまで落ち込む可能性を示しています[1]。単純な「奪い合い」の時代に突入しているということです。
2つ目は、賃上げ競争の限界です。物価上昇や最低賃金の引き上げを背景に多くの企業が賃上げに動いており、給与という条件だけで他社と差をつけるのが年々難しくなっています。
3つ目は、求職者側の情報収集行動の変化です。求人サイトだけでなく、SNSや口コミサイトで働く人の実際の様子を確認してから応募する求職者が増えており、給与以外の情報が意思決定に強く影響するようになっています。
私たちが伴走支援している企業の中でも、「時給を50円上げたのに応募がまったく変わらなかった」という声を数多く聞きます。給与という一つの条件だけを動かしても、他の情報が伝わっていなければ、求職者の意思決定には影響しないというのが現場の実感です。
3. 賃上げだけでは解決しない理由、仕組み・全体像
応募や定着を増やすには、採用活動を次の4つのステップで整理すると一気に見通しが良くなります。
ステップ | 整理する内容 |
①3C分析(求職者・競合他社・自社) | どんな人材に来てほしいのか、競合他社はどう採用しているか、自社の立ち位置を整理する |
②自社の強み(採用USP)の言語化 | 給与以外に「なぜこの会社で働く価値があるのか」を裏付け とともに言葉にする |
③応募〜定着までの道筋 | 求人媒体での認知から、応募、面接、内定承諾、入社後の定着までの流れを設計する |
④採用KGI/KPIと予算 | 必要な採用人数(KGI)と、応募数・面接設定数・内定承諾率などの中間指標(KPI)、予算配分を数字で示す |
4つのステップを整理するだけでも、賃上げは「唯一の解決策」ではなく「複数ある手段の一つ」だと分かってきます。逆にこの4つを整理しないまま賃上げだけを続けると、コストばかりが増えて効果が見えない状態が続きます。
経営者と現場の役割整理
採用活動も、経営者が一人で抱え込みがちですが、実際には次のように役割を分けて進めると負担が減ります。
役割 | 主な担当 | 内容 |
方向性を決める | 経営者 | どんな人材に来てほしいか(採用USP)の意思決定 |
情報収集・整理 | 採用担当者・現場社員 | 求職者の声、競合他社の求人内容、離職理由の洗い出し |
発信・見せ方の検証 | 経営者+担当者 | 求人票・SNS・採用ページの内容が魅力を伝えられているか確認 |
定着のフォロー | 現場責任者 | 入社後の定着支援、離職の予兆の早期把握 |
4. 比較(給与を上げるだけ・求人媒体を増やすだけ・マーケティング視点で採用ブランディング)
人が集まらないときの打ち手には、大きく3つの方向性があります。それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
比較軸 | 給与を上げるだけ | 求人媒体を増やすだけ | マーケティング視点で採用ブランディング |
初期コスト | 継続的に発生(人件費増) | 掲載料がかさみやすい | 発信の仕組みづくりが中心 |
応募への効果 | 一時的な効果にとどまりやすい | 露出は増えるが質はばらつく | 自社に合う人材からの応募が増えやすい |
定着への効果 | 給与だけでは定着理由になりにくい | 効果は限定的 | 入社前後のギャップが減り定着しやすい |
社内にノウハウが残るか | 残らない | 残りにくい | 残りやすい(発信力が資産になる) |
継続性 | 賃上げの上限に近づくと手詰まりになりがち | 掲載を止めると効果も止まる | 発信を続けるほど積み上がる |
どれも完全に間違いというわけではありません。「今すぐ人を増やしたい」のか「 継続的に選ばれる会社になりたい」のかによって、力を入れるべき方向性は変わります。
5.よくある誤解
誤解1:給与さえ上げれば応募が増えると思っている
実際には、給与だけを見て応募・入社を決める求職者ばかりではありません。仕事内容への納得感や成長機会といった「非金銭的価値」が明確に伝わっていないと、給与を比較検討する土俵にすら乗らないことがあります[2]。
誤解2:求人媒体を増やせば応募が増えると思っている
掲載する媒体を増やしても、求人票の内容自体が他社と代わり映えしなければ、露出が増えるだけで応募には結びつきません。
誤解3:採用活動と広報・マーケティングは別物だと思っている
採用活動も、自社の情報を「誰に」「何を」「どう伝えるか」という点では、商品・サービスのマーケティングと同じ構造です。担当する部署が違うだけで、考え方は共通しています。
誤解4:一度採用ページを作れば効果が続くと思っている
採用ページや求人票は、一度作って終わりではありません。求職者の反応を見ながら、伝え方を継続的に見直していく前提で運用すべきものです。

6.現場でよく聞かれる質問と課題
実際にご相談いただく経営者からは、資料を読んだだけでは分からない、現場ならではの質問を数多くいただきます。
「うちみたいな小さい会社で、採用ブランディングなんて大げさなことができますか?」
非常によく聞かれる質問です。答えは、規模が小さい会社ほど効果が出やすいです。大企業と違い、経営者や現場との距離が近く、働く人の顔が見える情報を発信しやすいためです。
「賃上げは無駄ということですか?」
いいえ、賃上げ自体は有効な手段です。ただし、賃上げだけに頼るのではなく、自社で働く価値を言語化して発信することとセットで行うことで、初めて効果が続きます。
「採用担当者がいないのですが、それでも始められますか?」
始められます。まずは経営者自身が「なぜこの会社で働いてほしいのか」を言葉にすることが出発点であり、専任の採用担当者がいなくても着手できます。
「求人媒体の担当者に、うちの魅力を書いてもらえばいいのでは?」
媒体側の担当者は多くの企業を同時に担当しているため、自社の強みを深く理解した文章に仕上げるのは難しい場合があります。自社の強みの言語化は、経営者自身の関与が欠かせません。
7. 採用マーケティングに取り組む際に押さえておきたい注意点
給与の見直しと、働く価値の言語化・発信は両輪で進める
取り組みを始める前に、社内で「どんな人材に来てほしいか」の認識を揃えておく
一度発信して終わりではなく、求職者の反応を見ながら見直す前提で取り組む
現場の社員の声を、求人票や採用ページの言葉に反映させる
これらは大きな障壁というより、事前に把握しておくことでスムーズに取り組みを進められる確認事項です。
8.こんな企業におすすめ/おすすめしないケース
おすすめのケース
賃上げをしても応募数や定着率に変化が出ていない企業
求人票や採用ページの内容が他社と代わり映えしないと感じている企業
採用担当者がおらず、経営者が採用活動を一人で抱えている企業
必ずしもおすすめとは限らないケース
すでに採用ブランディングに取り組み、応募数・定着率ともに安定している企業(この場合はさらなる磨き込みが中心になります)
一時的な繁忙期だけの短期採用で、継続的な発信の必要性が低い企業

9.GuideRunnerでできること
株式会社GuideRunnerは、独自メソッド「上昇マーケティングOS」(商標登録第7065487号)に基づき、企業のマーケティング内製化を支援しています。採用活動についても、単発の求人票添削ではなく、メソッドの中に組み込む形で「採用マーケティング」としての実装支援を行っています。
フェーズ | 採用活動における支援内容 |
戦略準備フェーズ(情報整理・3C分析・USP言語化) | どんな人材に来てほしいか、自社で働く価値を一緒に言語化 |
戦略フェーズ(ウェブ戦術・KGI/KPI設計) | 求人票・採用ページ・SNS発信の設計と、応募数・定着率の目標設計を支援 |
実行フェーズ(戦術実行・解析) | 発信の実行・効果検証を伴走し、採用活動を継続的に改善 |
なお、インハウスマーケティング化支援(12ヶ月〜)では、採用活動における発信ノウハウを一度きりで終わらせず、担当者が自走できるようになるまでの育成を一体で行っています。単発の求人票作成だけでなく、継続的な伴走を通じて仕組みとして定着させたい企業に向いています。
GuideRunnerの上昇マーケティングOS®とは?
「上昇マーケティングOS」は、当社代表の約20年にわたる企業マーケティング支援の経験を体系化した独自メソッド(商標登録第7065487号)。
マーケティングの課題は、外部への「外注」だけでは解決しません。プロジェクトが終わった瞬間、ノウハウもお金も自社に残らないためです。上昇マーケティングOSは、マーケティング未経験者であっても社内で育成し、マーケターとして活躍できる仕組みをつくる「インハウスマーケティング(内製化)」支援によって、採用活動を含めたこの課題を解消します。
10.まとめ
賃上げしても人が集まらないのは、給与という条件面の改善だけでは、求職者に自社で働く価値が伝わっていないことが背景にある
背景には、構造的な人手不足・賃上げ競争の限界・求職者の情報収集行動の変化という3つの流れがある
3C分析・採用USPの言語化・応募〜定着までの道筋・採用KGI/KPIと予算の4ステップで整理すれば見通しが良くなる
給与を上げるだけ・求人媒体を増やすだけ・採用ブランディングにはそれぞれ特徴があり、継続的に選ばれる会社を目指すなら発信への投資が有効
賃上げをしても応募・定着に変化が出ていない企業との相性が良い
11.筆者からのアドバイス
【筆者からのアドバイス】
20年間、1,000社以上のマーケティング現場を見てきた中で感じるのは、採用がうまくいかない会社の多くが、実は「給与の額」ではなく「自社で働く価値を言葉にできていない」ことに本当の課題を抱えているということです。採用活動の見直しは、実は自社の強みそのものを見直す絶好の機会でもあります。
(この記事を書いた人)
株式会社GuideRunner 代表取締役 野田卓司
15年以上、実績2万社のウェブ制作・マーケティング会社にて
取締役COO兼コンサルタントを務め、
2024年8月に株式会社GuideRunnerを設立。
1,000以上のマーケティング現場を経験し、
これまでに900名以上のウェブ・マーケティング人材を育成。
上場企業から中小企業まで、業種を問わず幅広い
企業マーケティング伴走支援を行う。
12.FAQ
Q1. 採用マーケティングは何から始めればいいですか?
A. まずは「どんな人材に来てほしいか」を経営者自身の言葉で書き出すことから始めます。ここが曖昧なままでは、求人票やSNS発信の内容もぶれてしまいます。
Q2. 採用にかける予算の目安はありますか?
A. 業種や採用人数によっ て異なりますが、給与の引き上げだけに予算を集中させるのではなく、発信・見せ方の改善にも一定の予算を配分することをおすすめします。
Q3. 中小企業庁の白書では、定着率についてどんなことが分かっていますか?
A. 2026年版中小企業白書では、求める人材像を明確化できている企業ほど定着率が高い傾向にあることが示されています[1]。
Q4. SNSでの発信は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、求職者が応募前に会社の様子を調べる行動が一般化しているため、有効な選択肢の一つです。自社に合った媒体を選ぶことが重要です。
Q5. 採用担当者がいなくても取り組めますか?
A. 取り組めます。専任担当者がいなくても、経営者や現場責任者が「自社で働く価値」を言語化するところから始められます。
Q6. 賃上げと採用ブランディング、どちらを優先すべきですか?
A. どちらか一方ではなく、両方を組み合わせることをおすすめします。給与という条件と、働く価値の発信は、補い合う関係にあります。
Q7. 求人票の内容は、どのくらいの頻度で見直すべきですか?
A. 応募状況や採用市場の変化に応じて、最低でも半年に一度は内容を見直すことをおすすめします。
Q8. 採用ページを作れば、すぐに効果は出ますか?
A. すぐに効果が出るとは限りません。求職者の反応を見ながら、内容を継続的に調整していく前提で取り組む必要があります。
Q9. 採用活動の成果は、何で測ればいいですか?
A. 応募数だけでなく、面接設定率、内定承諾率、入社後の定着率まで含めて確認することで、採用活動全体の課題が見えてきます。
参考情報
参考情報
[1]中小企業庁「2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要」(meti.go.jp/press/2026/04/20260424005/)
[2]マイナビキャリアリサーチLab「中小企業の求人で応募が来ない理由とは?よくある3つの勘違い」(career-research.mynavi.jp/column/20260512_110124/)
[3]株式会社GuideRunner公式サイト「上昇マーケティングOS」ページ
※本記事の作成にあたり、文章の一部生成に生成AI(Claude)を活用しています。内容の正確性については、公開前に編集部でご確認ください。
※上昇マーケティングOS®は株式会社GuideRunnerの商標登録名称です。
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